膜厚計

 

 

膜厚計は、乾燥膜厚を測定するのに使います。塗装工程ではさまざまな測定や検査を行いますが、おそらく最も重要なものは乾燥膜厚でしょう。その値によって、下地の寿命、製品の本来の目的への適合性、外観に関する情報が得られるだけでなく、膜厚自体を各種規格に準拠させなければなりません。 

 

Elcometerは、破壊式試験と非破壊式試験に適したデジタル膜厚計とメカニカル膜厚計を多数ご用意しています。プローブと校正用標準フォイルも各種取り揃えています。用途に合わせてお選びください。 

 

デジタル膜厚計 

 

Elcometerのデジタル膜厚計は、非常に正確で再現性と信頼性に優れた膜厚計です。ほとんどすべての金属素地の膜厚を測定できます。 

 

Elcometer 456 Coating Thickness Gauge 

磁性金属だけでなく、ステンレスやアルミニウムなどの非磁性金属素地での検査にも適しています。鋼鉄などの磁性金属に塗布された非磁性被膜の測定には、電磁誘導の原理を取り入れています。非磁性金属に塗られた非導電性被膜の測定には、渦電流を利用します。
 
新しいElcometer 456膜厚計(プローブ一体型とセパレート型)をはじめ、Elcometer 415ペンキ&紛体塗料膜厚計、Elcometer 311自動車再塗装専用膜厚計など、幅広い製品の中からお選びください。

 

 

 

 

 

メカニカル膜厚計

 

Elcometerのメカニカル膜厚計は、費用効果の高い乾燥膜厚測定装置です。高温の場所や可燃性物質のある場所、水面下、電気機器の使用によって爆発が起こるおそれがある場所など、危険な環境での測定に適しています。

 

Elcometer 101は、塗面を押して離すだけで測定できる携帯膜厚計です。また、もう少し正確な値が必要な場合は、別名「バナナゲージ」のElcometer 211をお勧めします。特に、低温の表面や水面下での検査に適しています。

 

破壊式試験用膜厚計

 

破壊式試験用膜厚計は、非金属の下地に塗られた塗料の厚さを測定したり、重ね塗りの膜厚を検査したりするための装置です。使いやすく持ち運びに便利なElcometer 121/4Elcometer 141をご用意しています。

 

 

膜厚計の測定原理

 

 

乾燥膜厚は、磁性金属の下地だけではなく、ステンレスやアルミニウムなどの非磁性金属の下地でも測定することができます。鋼鉄などの磁性金属に非磁性塗料が塗られている場合は、電磁誘導の原理を応用します。非磁性金属に塗られた非導電性被膜の測定には、渦電流を利用します。

 

永久磁石式膜厚計

 

 

バランスのとれたアームの先端に永久磁石が埋め込まれており、この磁石を塗面から離すのに必要な力から塗膜の厚さを割り出します。この磁石は、中央にあるダイヤルとバネで接続されています。磁石を塗面に当てて、ダイヤルを回していきます。バネが徐々に引っ張られ、最後には磁石が塗面から離れます。ダイヤルの目盛には、バネを引っ張る力ではなく、その力に相当する膜厚の値が刻まれているので、磁石が離れたときの針の位置から膜厚を直接読み取ることができます。

 

電磁誘導式膜厚計

 

 

磁性体に塗られた塗料の厚さを電磁誘導の原理を利用して測定します。プローブには、コイルを3本巻いた電磁石が入っています。中央のコイルに膜厚計から通電し、その両側のコイルで発生した磁束を検出します。中央のコイルに送られる信号は正弦波(交流)なので、その回りに発生する磁束の向きも交互に変化します。

 

プローブが磁性体の影響を受けていないときは、両側のコイルを貫く磁束はまったく同じです。しかし、プローブを磁性体の下地の塗膜に近づけると、このバランスが崩れ、磁性体から近い方のコイルを貫く磁束数が多くなり、遠い方のコイルを貫く磁束数が少なくなります。そのため、2つのコイルにかかる電圧が変化します。この電圧変化を下地までの距離(膜厚)に換算します。

 

渦電流式膜厚計

 

 

プローブにはコイルが1本だけ入っています。比較的高い周波数(数メガヘルツ)の交流電流を流し、塗膜の下の非磁性金属面に交流磁界を発生させます。この磁界によって、渦電流が励起されます。渦電流によって発生した磁界は、逆にプローブの高周波磁界に影響し、コイルの電気抵抗が変化します。この変化を膜厚に換算します。

 

 

膜厚計の正確さについて

 

 

膜厚計を選ぶときに大切なのは、検査でどの程度正確な測定値を必要とするかということです。膜厚計には、さまざまな機種がありますが、その正確さも異なります。通常、正確な測定値が得られるものほど、値段が高くなります。塗装工程や下地の性質は勿論、塗膜に影響を与える要因が多数あります。また、実際に膜厚計で測定を行う人が持っている技術や知識も無視できません。

 

「正確さ」とは

 

 

正確な測定値が得られるかどうかは、膜厚計の性能の基本的な尺度になります。正確さとは、測定値が実際の値にどの程度近いかを表す指標です。

 

膜厚計の正確さの検証

 

 

膜厚計の正確さを検証するには、規格に従った標準フォイルを使用することが大切です。まず、未塗装の滑らかな下地でゼロ点を設定し、膜厚計の測定範囲の上限近くの値の標準フォイルと、中間値の標準フォイルの厚さを測定します。標準フォイルの実際の厚さと、膜厚計の測定値を比べて、その誤差を計算します。通常、誤差は測定値に対する割合(パーセント)で表します。

 

膜厚計のメーカーによる校正について

 

 

メーカーによる校正とは、膜厚計の製造工程において、必要な仕様を満たすように膜厚計を設定するプロセスのことです。このプロセスでは、通常、測定範囲が設定され、その中間の測定値がチェックされます。最近のデジタル式膜厚計では、校正用の基準値が内蔵メモリに保存されています。

 

膜厚計の使用前に調整が必要な理由

 

 

検査する塗膜の下地の材質や形状、表面の仕上がり具合などによって、膜厚の読み取り値が影響を受けます。例えば、合金の種類によって磁性が異なり、アルミニウム合金や非鉄金属、銅、真鍮、ステンレスなど、金属の種類によって伝導率が異なります。このような違いは膜厚計の直線性に影響します。つまり、軟鋼用に設定された膜厚計と高炭素鋼用に設定された膜厚計では、まったく同じ塗膜を測定しても、読み取り値が異なります。直線性への影響は、薄い下地や曲がった下地でも見られ、特に表面が粗い場合(ブラスト処理された鉄筋など)に顕著です。

 

このような影響を抑え、読み取り値が正確になるように、膜厚計の多くには、実際に検査する面に合わせて調整できる機能が備わっています。

 

 

 

 

膜厚計を調整する

 

 

調整とは、実施する検査の条件に合わせて、膜厚計を設定することです。下地の材質や形状、表面の粗さに加えて、温度や浮遊磁場を考慮しなければならない場合があります。このような条件に合わせて膜厚計を適切に調整しておくと、誤差を大幅に減らすことができ、時には誤差をゼロにすることさえ可能です。

 

検査する塗面の粗さ、特に意図的に粗くしている場合(グリッドブラストやショットブラスト加工、機械洗浄など)は、測定値に大きく影響します。表面の粗さの説明をご覧になるには、 ここをクリックしてください。

 

膜厚の標準フォイルと標準板

 

 

膜厚計の調整時に使用できる標準フォイルと塗装済み標準板があります。詳しい説明をご覧になるには、 ここをクリックしてください。